天使が泣いた夜。

皆さんこんばんは。「その気も無いのにクールビズ」 perfumeを応援する市民の会新潟支部長のシンジです。



先日、新宿にて実施された作戦に参加致しました。新潟支部として3・25表参道作戦に次ぐ東京遠征です。
地元から民間輸送列車に搭乗し、一路新宿へ。到着後直ちにマイシティ内のHMVに向かい、3人への贈呈品にとCDギフト券を購入ました。近くのロッテリアにて今回の作戦行動を共にする、コードネーム「えちぜん」さんと合流し、会場へと向かいました。
会場入りしてすぐに確保した場所はステージから2.6メートル程前の中央。表参道戦時に比べて相当な前進です。
喜んだのもつかの間、そこが過酷極まりない場所である事に気づくのに左程時間は掛かりませんでした(←後に「ホットゾーン」と命名)。
開演までの待機中、「BLACKperfumeあばれ旅」で文学新人賞にノミネート寸前だった(妄想)id:pinksunさんが私の着ていたTシャツを発見して声を掛けてくれました。更に自分のすぐ右側に、アメブロ連合所属のtecnonさんも確認しました。左の壁際に宗像明将さんと奥様、最前列右側に「ヒゲのおにいさん」でお馴染みのパフュームギャング幹部id:kan1arinoさんも見えます。役者は揃ったといった感じでした(ちなみに終了後、ブログ『メガネ++』管理者のmotechinoさんとも挨拶。一気に知り合いが増えました。ステキなまでにメガネの似合う人です)。


レヴューは他の方々の報告を読んで頂くとして、今回はその「ホットゾーン」真っ只中での事を話したいと思います。


最初のGOATBED、メロディにやや難ありという向きもある様ですが、私は好きです。
大学時代ソフトバレエやブレインドライヴを聴いていた事もあり、デジタルロックは大好物です。
開演直後、ある勘違いをしていました。押し合いへし合いはトリのperfumeまで発生しないだろうと。
誤算でした。


始まるや否や後方にいたGOATBEDウォーリアー達が前方になだれ込み、足元に置いた荷物に気を取られていた私は激しく押され大きくバランスを崩しました。その瞬間周囲の密度が一気に収縮し、180センチの身長をもってしても演者の腹部から下は見えない状況となったのです。
ここからの演目については割愛するとして、ロマンポルシェの後10分程でperfume降臨と思っていましたが、急に不意打ちの様にテクノとラップとノイズを石焼ビビンパの如く混ぜたユニットが登場。虚を突かれたかの様にあっけに取られるオーディエンスを前にアウェー度170%の空気をモノともせず熱唱(つーか絶叫)していました。最初は戸惑いの雰囲気に満ちていた周囲もいつしかあちこちで縦ノリが始まるなど、文字通りフロアが暖まっていったのです。


しかし、彼等の演目が終わってからの時間は観衆にとって大変に長い時間でした。思えばこの時間が、暖まったフロアを更にオーバーヒート寸前まで加熱させた事は想像に難くありません。空気が微かにピリピリとしたものになってくるのが判ります。そこかしこで「かっしー!」「のっちー!」のシャウトが響き渡り、私はこの時何がしかの危険を感じました。

「もしかしたらのっちが遅刻したんじゃねぇ?」「誰か急病?急な発熱?」「なんかのトラブルだな」といった会話があちこちから聞こえてきます。ああ、そんなあらぬ疑いを抱かれるなんて大本さん可哀想。

ついにオープニングに「チョコレイトディスコ」のイントロが始まり、それが合図であるかの様にただでさえ縮まっていた密度が更に凝縮され、都心の通勤ラッシュなど問題にもならない押し合いが始まったのです。ビスコと、perfumeへの贈呈品が入った紙袋が潰れないようにと必死でした。

ここからは記憶が曖昧です。どんな曲順かも覚えていません。2回目の「実戦」で初めてホットゾーンの過酷さを、アウェーの洗礼を受けただ呆然としてしまいました。何より、記憶を曖昧とさせる事態が目の前で発生したのです。
確か「コンピュータードライヴィング」の時だったと思いますが、私の7時方向にいた安田大サーカスのクロちゃん似のファンが僅かな隙間を見つけ突進しました。彼は更に前進しようと人壁を強引にこじ開けようとしたのです。その刹那、私のすぐ前にいた、バンダナを被ったファンと睨み合いになりました。大音量の中でも「ナンやオラ!」「文句あるかオイ!」とハッキリ聞こえます。すぐにバンダナ氏の友人と思しき人物が間に割って入り騒ぎは収まりましたが、眼前での一触即発の光景は、開演前膝を小刻みに震えさせる程に高まっていたテンションを一気にクールダウンさせるに充分過ぎる程でした。その光景や混雑に耐えられなくなったのか、数人がホットゾーンから離脱し、後方や左右へと移動していきました。


やり切れない気持ちでした。「perfumeの前で恥ずかしいと思わへんのか!!」 叫びたい気持ちをグッと堪えました。

ファンであれば1cmでも前に進みたい気持ちは痛い程理解できます。僅かに出来た隙間にサッと入るのはいいと思いますが、人垣をこじ開けてまで前進するというのはマナー違反以外の何物でもないと私は思います。「大なり小なりアイドルのライヴなんてそんなもんだよ」とある人に言われましたが、少なくともperfumeファンは節度と自制心を持った人達だと信じてます。私がperfumeに感じる魅力、それはあらゆる層を包括し、決して排他的にはならないファンの存在です。そういった人達ばかりだと信じていたので、面食らった格好となった新宿の夜でした。
こんなんでビビる位だから、恐らくモー娘のライヴに放り込まれたら冗談じゃなく泣き出すかもしれません。



最後の曲が終わり、3人が深々と礼。その時目に映ったのは、瞳を潤ませるかしゆかの姿でした。
思うに最初、機材トラブルが発生したことで「果たしてライヴを開始出来るのか」と、さぞ不安だった事でしょう。中止、または順延という最悪の事態をも想定した事でしょう。あの時の涙は心配が杞憂に終わり、緊張から開放され、熱狂と興奮のうちにライヴが完了した安堵の涙だったのではないでしょうか。
もっとも私には、小規模ながらも諍いが起こった事に対して、かしゆかが胸を痛めたが故の涙にも見えましたが・・・。



演目が終了し物販コーナーに進みましたが、そこにperfumeの姿は有りませんでした。
まぁ無理も無いでしょう。あんな狭小な場所で本人達が物販など行ったら最後、連休のディズニーランドもかくやといった混雑となっていたでしょうから。ロフトのスタッフに贈答品を託そうとすると「物販のトコで頼んで」と事務的かつ冷たい返事。しかし販売コーナーにて「もっさん」を発見!! 恐る恐るCDギフト券と、同じく持参したSサイズのパフュームアカデミーTシャツを渡し、「こ、こちらを御三方にお渡し願いますか」と震える声で言いました。「はい、わかりました」と受け取ってもらい、では失礼しますと会釈して会場を後にしました。はぁ、やるべき事はやった。


その後えちぜんさんと一緒にパフュームギャングの集会に参加させてもらい、楽しいひと時を過ごしました。その時の構成員の顔ぶれは他のブログを参考にして下さい。つーか初参加だったもんで、まだ名前と顔が一致しない人がいるものですから・・・・・。
集いでは、id:matekoiさんのかしゆかに対する気持ちがエクストリームなまでに「本物」「ガチ」だったのが印象的でした。発言にビタ一文のズレも無い、かしゆか一筋な好青年です。
きっと何処かのバーで今頃、カシスミルクを飲み、おつまみにカシューナッツを注文してる事でしょう。


その後お開きとなり新宿駅にて皆さんとお別れ。
直後私はくるりと踵を返して歌舞伎町に戻り、いろんな店をハシゴしました。
寿司屋で握りと一緒にビール、韓国居酒屋でキムチチゲと生中、ショットバーでビールとウイスキーetc。
ロフトで見た、「地上に舞い降りた天使の涙」に想いを馳せながら。


気が付くと午前4時半。いつしか空が白んでいました。




やっぱ東京さすげぇ(←東北弁)。