フィーバー!

皆さんこんばんは。
これまでの独学から本格的にハングル語を習得しようかと考えている、Perfumeを応援する市民の会新潟支部長のシンジです。



さて、先日25日に発表となりましたPerfumeの新譜「ワンルームディスコ」。
意外に思われる方もいるでしょうが、「評価や鑑賞はちゃんと木戸銭払ってからするものだ」という信念の下、私はこれまでPerfumeの動画サイトでのヴィデオクリップを発売前にブログへアップした事が無く、携帯電話を用いてのダウンロードも行った事がありません。あくまで端末からの動画鑑賞は『見本』『お試し』というカタログ的位置づけであり、気に入ったら購入するスタンスです。まぁ対象がPerfumeならば無条件で購入ですが。

ワンルーム・ディスコ(初回限定盤)

ワンルーム・ディスコ(初回限定盤)

ワンルーム・ディスコ(通常盤)

ワンルーム・ディスコ(通常盤)


↑どうせまた消されるんだろうなぁ。



今回結論から申しますと、「高揚感」という言葉がシックリ来るとでも言いましょうか、とにかく久々の会心作だと思います。
正直、メジャーデヴュー以降の『3部作』と称される楽曲から醸し出される無機質なテクスチャーや、『近未来テクノポップユニット』というコンセプトに魅了された身としては、昨今の方向性、すなわち恋愛における内面的試行錯誤のもどかしさ等を前面に押し出した展開には戸惑い、いやありていに言えば不満を覚えていました。
しかしその世界感は多くのアーティストが粗製乱造する『使い捨て音楽』、例えるならミニシアター系映画の様なシュールかつ脆い叙情全開の様な楽曲や、身に覚えの無い無情感を起想させる様な楽曲とは趣を異にするものと言えるのではないでしょうか。



「身に覚えが無い無情感」といえば、その最たるものは山下達郎の『クリスマス・イヴ』でしょう。


カップルに在らずは人に非ず」と言わんばかりの年末ならではの雰囲気の中で楽曲が耳に入ってくると、水に浸した乾燥ワカメの如くムクムクとハアトを満たしていく寂寥感。まったくもぅ、落ち着いて考えてみて下さい。世の中で件の歌詞に描かれる「来ない確率の高い相手を一縷の望みに掛けて待ち続ける」なんて体験をした人間がどれだけいるっていうんですか(微怒)。来ないって判明したら「まぁエエわ。浮いたお金で飲みに行くか」って強がって、ショットバーのカウンターで寂しいオトナのフリをするに決まってるんですから(←自分の事だろそりゃ)。
閑話休題
で、新譜についてですが、Aメロの『♪ディスコディスコ、ワンルームディスコ♪』の後のシンセ音はもう最高!80’sムーヴメントを多少経験し、限りないシンパシーを抱く身としてはまさに直撃。安易な応援ソングでは無い歌詞も非常に好感が持てます。『ディスコ』という、ともすれば時代遅れの謗りを免れないタームに元来内包されていた煌びやかなイメージを復権させた事が、きら星の如くスターが輝く音楽業界の中で、Perfumeを眩しい程の光明を誇る一等星に押し上げたという事実と二重写しになって見える様な気がします。
否定でも肯定でもなく「今」、或いはそのメタファーを描く。それは未来に対するありふれた願望でも無く、失われたものに対する安いロマンティシズムでも無い。自身のCapsuleを初めとする中田サウンドワークスに通底した作品性と考えるのは牽強付会でしょうか。


ちなみにこのシンセ音を聴いた時、真っ先に連想したのはSinittaの『ToyBoy』でした。
あー、歳がバレる。

↑当時はコレがナウい(←死語)って言われてたんですから。今観るとキツいものがあります。


先ごろPerfumeが表紙を飾った『音楽と人』の中での西脇さんのインタヴュー。全くもってプロ意識の高さ、自身を取り巻く現状とその認識に乖離が無い、表現者としての透徹した謙虚な視点には今更ながらに感心させられます。それを踏まえた上で考えると、常日頃から物足りなさを感じていた昨今の『近未来』から『日常』への緩やかな移行は、旧来からのファンを大切にしつつも、マニアにしか理解出来ないという内輪の垣根は作りたくないというバランス感覚を併せ持った、確固たる意思表示に他ならないと言えるのかも知れません。

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あと今回の題名が『ワンルームディスコ』と聞いた途端に、ラムライダーの『ベッドルームディスコ』と何か関連性があるの?と思ったのは私一人では無い筈です。
何故か動画が発見出来なかったので、一応商品の紹介だけでも。前はYoutubeにあったのに・・・・・。

ベッドルームディスコ

ベッドルームディスコ


あと、『ポータブルディスコ』という作品もあります。どちらもお勧めです。

PORTABLE DISCO

PORTABLE DISCO


この先『チョコレイト』『ワンルーム』と、次に続く作品をもって『ディスコ3部作』という展開を見せるのでしょうか。
全くもって目が離せません。













追記。
「♪そのうち慣れてくるでしょう」のパートを大本さんに担当させるあたり「判ってるねーキミ」という感じです(しかもあの表情で)。
あと言う間でも無く4分37秒時の西脇さんのウインクは痛快な位に素敵かつ殺傷力抜群ですが、もう一つ好きなカットはプチトマト大になったリンゴを摘み上げて「あっ」って表情をする部分です。
健全なマインドを持つ者なら軽く身悶えする事必至。