森を見て木を見ず。

かつてわれらを迫害しつつありし人、今や、己が先に滅ぼさんとしたりし信仰を述べ伝うと聞き、われにつきて光栄を神に帰し奉りつつありき。


新約聖書『ガラチア書』第1章23節



皆さんこんばんは。
東京のみならず地元でさえ、出先で黒の日産エルグランドを見ると思わず中を確認してしまう、Perfumeを応援する市民の会新潟支部長のシンジです。

↓コレ。






かなり前、今年初頭の事ですが、朝の日課である新聞チェックをしていたところ、週刊誌の広告の中に『Perfume』という文字を発見しました。よく見てみると、『週間朝日』1月16日号の見出しの中の特集に「女が女にモノ申す」と銘打たれたものがあり、「Perfume好きのオトコがダメな理由」という題名が付けられていました。


曲がりなりにも新潟支部長を任ずる者として、「ほぉーぅ、言うてくれるやんけワレ」と全くもって聞き捨てなりません。後日、一体どういった内容なのか近場にて購入しました。妹沢奈美(せざわなみ)という音楽ジャーナリストが執筆したという事ですが、タイトルが新聞紙面に書かれていたものと違い『Perfumeは計算ずく 好きな男はチョロすぎです』と。口の中に、僅かばかりのアドレナリンの味を感じました。
読んでいない方々もいる事でしょうから、ここに妹沢氏が書いた誌面の全文を記載致します(著作権なんて知るか)。




職業柄、国内外の多くの女性アーティストに会う。会えば見たくもない素顔にも触れるわけで、好き嫌いの感情も芽生える。
最近ではアヴリル・ラヴィーン(24)。コワモテでデビューしたのに、結婚した途端「カワイイ私を見て」とばかりに男に媚びるようになり、一体何処に向かって音楽を作っているのかわからない。イロボケはカンベンして欲しい。
逆にブリトニー・スピアーズ(27)は男たちから持ち上げられてる時には、1ミリも興味を持てなかったが、私生活のゴタゴタを乗り越えた今、輝かしいオーラを放っている。
リア・ディゾンちゃんだって「ポイしないでください」って言っちゃうのは正直な証拠。ウソをついたり、きれいごとで済ませようとしないで誠実に対応する姿を見て、思わず「ロックの世界に来なさい」と思った。
若さやカワイさだけでちやほやされるのは一過性のもの。女性アーティストは同性とゲイをがっちり捕まえない限り、絶対に大物にはなれない。
大体、世間の男どもがチョロすぎるのがすべての元凶じゃないだろうか。
ご存知ないかもしれないが、M.I.Aという「革命」をウリにしているアーティストがいる。こいつが薄っぺらでスタイルだけ。それなのに、コロッとやられちゃう男のなんと多いことか。私はどんなに素敵な男性でも、好きなアーティストにM.I.Aを挙げた瞬間、この男もポーズだけか、とげんなりしてしまう。
自分は関係ないと思っているでしょ。そこのアナタ。
Perfume、好きじゃないですか?あのしたたかさや、媚びてる感じ、気づいてないでしょ。本人たちはきっと天然でイイ子なんだろうけどね。でも、あの音があって、天然の子が歌えばOK、みたいなだれかの計算が透けて見える。
なにより「ミュージシャンや評論家筋からの評価が高い」というのが、まったく納得いかない。彼女たち、そんなに大したことしてますか?そのミュージシャンとか評論家とかいう人たち、本当に音楽を聴いてますか?
北欧には、あのレベルの音楽を自分でつくる「普通」の女の子たちがけっこういる。何か言うなら、それを聴いてからにして欲しい。
Perfumeは性格がよさそうだからぎりぎりクリア。もし性格がわるかったら女性からはケチョンケチョンだ。ゲイと同性の目は厳しいのですよ。

言うまでもありませんが、私はこの文章に憤りを禁じ得ません。否、憤りというよりも「失笑」と言った方が適切かもしれません。こんな論評を行う妹沢奈美という人物とは何者なのか。フリーの音楽ライターを生業としている様で、詳細はこちらにありました。左側の名前一覧から選んでクリックして下さい。
http://www.j-wave.co.jp/original/tokiohot100/presenter/recommen_backnumber.htm

論評のページ左下にあるサムネイルをクリックすると本人写真の拡大図が現れ、ページを上下にスクロールすると写真もそれに追随するという何も嬉しくないギミック。貴女の顔を常に見たいなんて誰も頼んでいません。
識者の間でも十人十色な意見が交わされている現状がそれを物語っていますが、いちアーティストが人気を集める、大衆や消費者に支持される要因は、そもそもPerfumeがそうであるように、あくまで個々の作り手や表現者を取り巻く不確定な、様々な要因が絡み合うことによって形成されていくものであり、「こうしたらウケる」といった類の希望的観測や杓子定規が簡単に通用する程世の中は甘くない事は言う間でもありません。
曲りなりにも『音楽ジャーナリスト』の肩書を持つ者が個々の内情や環境、演者本人のパーソナリティー等一切斟酌せず、「計算ずく」「媚びてる」という言葉で切って捨てるという姿勢はまさに笑止千万奇妙奇天烈、全くもって理解に苦しむ限りです。おまけに「同性の目は厳しい」と言っており、確かにそれは事実ですが、現在その「同性」からも多大な支持を集めている事をどうやらご存知無い様です。 
例えるなら、おすぎが映画評論家と名乗る事と同じ位、あまた存在する同業者に対して失礼です。
あと活字の制限もあるでしょうが、願わくばその北欧に「普通に」存在するという女の子達の具体例を挙げて頂きたいものです。
少なくとも上記のコラムを執筆したであろう時期は昨年末と思われます。武道館興行、代々木興行が熱狂と興奮のうちに幕を閉じ、更には新譜のみならずライヴDVDも売り上げランキング1位を記録した現状を、件の妹沢氏は今どの様に認識しているのでしょうか。
まぁ「一度吐いた唾は飲み込めねぇんだよ」と言わんばかりに頑なに自説を固持しているでしょうが。




あーあ、ねたみヒガみって怖いねぇー(←棒読み)。


















追記。
いきなりですが「ディスコつながり」って事で、Perfumeがこういう楽曲を歌うというのも面白いかなと思います。