俺たちにPerfumeを語らせろ。

皆さんこんばんは。
「車を買うなら何が欲しい?」と訊かれたら「ホンダアコード」か「日産スカイライン」と答える、Perfumeを応援する市民の会新潟支部長のシンジです。














去る8月7日、東京は池袋のライブハウス「手刃(チョップ)」にて開催されたイヴェントに特派員として潜入取材を敢行しました。

http://www.chop.jp/



熱気と狂乱が包み込んだ
DISCO!DISCO!DISCO! AFTER PARTYから3ヶ月

現世の理を逃れ
訪れる混沌と困惑

残念さの向こう側に何が見えるのか?

これは
もはやPerfumeイベントではない

オールジャンルという名のカオスなのだ


・・・・・・8/7(fri.) 23:00〜5:00

『変』

池袋手刀 2000yen(1D)

dj lineup
DJ☆H
G2
taKa
美山花
tot a.k.a. 班長
wanikko

show lineup
A.N.P.
かまゆか∞バブル


「DJ muh」名義でDJ活動を行う、友人の「美山花」さん。テクノDJ1年生、白帯の私を遥かに越える速度でDJ街道をひた走る男
Perfumeファンとしては第二次新譜発売記念全国興行、その前半部だけでも石川→新潟→札幌→札幌→仙台→仙台と観覧するという筋金入りのヒト。
彼が発起人となって開催されたイヴェント、その名も『HEN(変)』
彼のスタイルは単純なグルーヴ感の追及では無く、音楽による空間の構築。インテリア、すなわち家具や調度品、壁に架ける絵や花を選ぶ様に、音楽で空間のインテリアを表現するのが持ち味。未見の方は彼のプレイを体感してみる事をお勧めします。
そしてこの集会の形態はアイドル、ロック、テクノ、アニソン、J-POPなどオールジャンルのスタイルを基本とし、その中にPerfumeなどの楽曲も織り交ぜて楽しんでしまおうという、DJ陣の個性が如実に現れる集会。DJの端くれとして、こうした現場も大いに参考になります。
美山さんの他に、昨年の武道館興行後に世田谷区は自由が丘にて開催されたアフターパーティーでの主要構成員を務めたDJ☆Hさん、taKaさんが参加。実力派が揃いました。

折りしも全国興行の初回を飾る戸田公演の夜。気温は下がらず不快指数が上昇する中会場入り。
搭乗した新幹線の到着時間の影響で30分遅れて入場となりました。会場入り口にて入場料金を払おうとすると、受付のおにいさんから「写真付きのID見せて」と言われプチ狼狽。「明らかに未成年だろコイツ」と思しき人に言うのなら分かりますが、どう見たって30代、20代半ばの時初対面の人に「33歳?」と言われた位の筋金入りのモンゴリアン顔の私が言われるとは夢にも思いませんでした。
持ち込んだ荷物の中に健康保険証があったのですが、「何でもいいから写真付きのIDは無いですか?」と言うので、新潟支部Perfumeファンの間でのみ通用するプレスカードを差し出してみましたところ、首を傾げながらもOKとなりました。おいおいそれでいいのか。




金曜の夜と言えば、1週間で最も気分が高揚する時間帯の筈。都会の夜は喧騒に溢れ、繁華街ではパーティーメイドの星が煌き、気の合う仲間達を肝胆合照らすひと時。ピチカートファイヴの『東京は夜の7時』が脳内BGMとしてしっくりハマる至福の時でありましょう。

しかし不肖シンジ、勤めの性格上平日が休日となる為に週末の東京のみならず新潟のナイトライフを堪能する事は大変に難しく、そうした日程に集中して開催される各種催し事、いわんやPerfume関連の興行やイヴェントに参加が叶わずに臍を噛む想いにさせられる事もしばしば。それ故交際する女性はおろか交友関係も大変に少ないのですがそれはまた別の話。
まぁ今回はたまたま勤務の都合上土曜休みが実現したので参加と相成りました。

場内には以前からPerfumeフォロワーの興行等で幾度と無くお世話になっている、「風と健康の会」対策部東京統括本部長のTDCさんの姿が。二人で会場の平均年齢をグイッと押し上げる事に成功。


会場では「かまゆか」サンと「えん@バブル」サンによるジョイントDJプレイ。フレッシュな魅力炸裂です。
ラッツ&スタージッタリンジン、MAXなど、トランス・ユーロビートに加え、昭和のヒットナンバーを随所に散りばめるというコク深い選曲。つーか若いのに渋過ぎるチョイスですね。






↑「マンモスかなP」って(笑)。

開始早々オーディエンスの興奮はレッドゾーンに。


プレイされているのがアイドルソングでも無いのに、ヲタ芸「ケチャ」が始まるという混沌っぷり。
そこには紛れもない「アイドルヲタ」という名の、行き場の無い流民達の姿がありました。
『GAME』がプレイされた瞬間、DJブース前のスペースに突如現れる男子(?)二人。ライトサーベルを持ち、ほぼ完璧に繰り出される振りには大いに瞠目させられました。




以降、各DJがプレイする曲目のうち、Perfumeナンバーが流れると、振りコピの出来る人達がDJ機材の設置された舞台上に集結するというハイボルテージなスタイルが定着しました。





程なくDJ担当は美山さんに。ポリシックスの衣装で登場。
サングラスも用意する凝りようには、本人のイヴェントに賭ける並々ならぬ意気込みを感じずにいられません。


で、目を離した隙に美山さんの衣装は『ビタミンドロップ』に。
先のかまゆかサンとえん@バブルさんも衣装変え。どこまで芸が細かいんだアンタらは。

次は、今やPerfume系クラブイヴェントに於いて不動の位置を築きつつあるビッグダディ(←勝手に命名)ことDJ☆Hさん。オーディエンスの嗜好と会場の空気の機微を察知し、ハズしが一切無い選曲には感心しきりです。




↑繰り出されるPerfumeナンバーで会場を煽る煽る(笑)。


ここでDJタイムは小休止。「奇跡の残念ユニット」の異名を持つという女子トリオ『A.N.P』が登場し演目を披露します。浴衣が衣装という事で「まさか」と思いましたが、やはりやってくれました。出だしは往年の名曲『彼氏募集中』。続いて『ジェニーはご機嫌ななめ』が。図らずも一昨年の東京は代官山に於ける興行の再現となりました。



ジェニーの際、旧コールをシャウトする人が圧倒的に多い状況でした。


以前にファンの間で論争にまで発展した「コール問題」。
当初のコールが西脇さんのボーカルと重なってしまう為にリズムが取りづらく、西脇さん本人の要請で現在流通しているコールに変わったのですが、原理主義者やPerfumeスノッブ達の一部は頑なな迄に旧コールを連呼し、時に電脳野での双方の確執はさながら政治政党における、執行部と若手との世代間闘争の様相を呈していました。
この論争が勃発した当初、私は旧コール派に対して否定的な感情を隠せませんでした。曰く「西脇さんがやり辛ぇっつってんだから素直に従えよ」。しかし、目の前で繰り広げられる、声を枯らさんばかりの旧コールは、かつてライヴ終了時にPerfume本人達が物販を行っていたという古き良き時代、吐息が掛かる位間近に居た、二度と戻る事は出来ないあの時代への「惜別の叫び」の様に感じました。


そんなセンチメンタルな空気を吹き飛ばさんが如く、以降の各DJも続々とPerfumeナンバーをプレイ。天井に設置されたエアコンの冷却効果はどんどん下がっていきました。観衆のノリも出だしから殆んど変わらず。




↑こしじまサンが『ポリリズム』の振り付けを敢行するというマッシュアップ過ぎるシーン。




そして遂に終演時刻の午前5時。会場中に乱射される『Perfume』の50口径You!You!爆裂弾。

私も撮影の手を一瞬休めて周囲の一体感の中に入りましたが、本家はおろか、こんな至近にいるPerfumeワナビーの面々の誰からもこちらに着弾せず、イヴェント参加で高揚した気分を一気に吹き消すに余りある寂寥感が身体を支配しました。

そうして5時15分頃、全ての演目が終了。会場は慌しく撤収準備に入りました。
最後は綺麗どころ、会場の華を撮影してフィルムを使い切りました。





余談ですが、今回の撮影で本体一台で自由な感度設定、記憶媒体によって大量の連続撮影が可能という「デジタル」と「アナログ」の差を大いに見せつけられました。
クラブの環境の様な薄暗い場所ではファインダー内でピントが適正かどうかの判断がし難く、加えて持参したフィルムは24枚撮りが2本のみ。
銃器に例えるなら、デジタル一眼レフカメラはオートマチックの拳銃、それも装弾数が15発以上。更に予備弾倉が3つあるといったところ。


それに比べてこちらのカメラは装弾数5発、予備弾は無いリボルバーといったところでしょうか。



未だに写真方面はデジタルを導入せず、今までと同様フィルムにこだわり、時々暗室で現像する私ですが、やや不都合が生じてきました。
一眼レフは想定していませんが、以降はコンパクトデジカメを導入する運びとなるやもしれません。
「作品」としての撮影なら依然フィルムカメラを使いますが、今回の様な「記録」の場合ですと、コストが日を追う毎に高くなっている現状を踏まえ、デジタルとの併用を支部で協議せねばならないでしょう。













追記。
終了時、美山さんが観客に向かって「この中で戸田公演に行った人は?」と問い掛け、挙手した人に「おまえら全員しねっ」と、直球かつ正直この上無い想いをスパークさせていました。
Perfume」と名の付くもの全てを追求する事は人生の浪費では無い、と再認識した池袋顛末記でした。