柳の下。
皆さんこんにちは。
アルコヲル抑制&筋トレの効果が早くも出てきた、Perfumeを応援する市民の会新潟支部長のシンジです。
嗚呼、台湾料理をガツ喰いしたい(涎)。
私がたまに閲覧するブログの大家さん、もとい管理人の方々が同時多発的に「映画ゼロ年代ベスト」、すなわち2000年から最近までに公開された映画のフェイバリットを公表しています。
食べ物、お酒、ファッション同様、映画の嗜好もまたその人を端的に表すものでありましょう。
基本的に「いかにも」な結末のハリウッド作品、わけても「ブロックバスタームービー」と称されるものは好きではありません。特に昨今はCGCGまたCG、んもぅコンピューターグラフィックスの見本市もかくやという状況、加えて過去の作品の焼き直し、コミック本の映画化主体といった様相を呈しており、とても鑑賞に耐え得る物ではありません。
しかもペンペン草も生えてないような新潟の片田舎にあっては観たい作品があってもすぐに終了してしまい「果たしてこれを劇場公開する必要が何処にあるのか」と痛感する凡百の邦画が残るばかり・・・。
アイドル環境同様、映画の環境も厳しい私ですが、これまでで特に記憶に残った作品を記しておきたいと思います。
・聖林映画
『コラテラル』(2004年 主演トム・クルーズ 監督マイケル・マン)
事件の証人を殺害せんとする殺し屋と、彼を乗せたタクシー運転手の一夜の物語。コラテラル スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
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自分の周辺では評価は低いのだが、個人的には結構印象に残った作品。
銃撃シーンには定評のあるマイケル・マン監督、訓練された者が使う拳銃の恐ろしさを余すとこ無く描写。
撮影に際して射撃練習を行ったトム・クルーズの入れ込み様は相当なものだったとか。
銃はH&KのUSP45。
『コンスタンティン』(2005年 主演キアヌ・リーヴス 監督フランシス・ローレンス)
「フロム・ヘル」や「リーグ・オブ・レジェンド」の原作者アラン・ムーアがDCコミックス(←マーヴェルと並ぶ全米2大コミック出版社)で始めたダーク路線マンガ「ヘルレイザー」の映画化。
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悪魔探偵コンスタンティンが地獄からの逃亡者を追いかけるという、まぁアメコミ版「ドロロンえん魔くん」と思えば大体当たり。
キアヌの細身な黒スーツ姿がナイス。役柄ではへヴィースモーカーなのだが、そこは共感出来そうにない。
『キングダム』(2007年 主演ジェイミー・フォックス 監督ピーター・バーグ)
サウジアラビアのアメリカ人居住区で発生した爆弾テロの捜査に向かうFBI捜査官の活躍を描いた作品。
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基本はハリウッド映画に昔からある異文化交流捜査もの。
御都合主義も散見されるが、「アメリカ万歳」に終結せず比較的ニュートラルな視点なのも好感が持てる。
銃撃戦のシーンで使用されてたG3SG-1がリアル。
『96時間』(2009年 主演リーアム・ニーソン 監督ピエール・モレル)
96時間というリミットで、フランスで人身売買組織に誘拐された娘の救出に挑む、元特殊工作員の父親。
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「シンドラーのリスト」の印象が強かったので、末端のチンピラの殺害・拷問も厭わないその姿に戦慄を覚えると同時に、強いカタルシスを覚えたのも事実。
「娘を取り戻す為なら、エッフェル塔だって壊してみせる!」と啖呵を切る姿にシビレる。
・フランス映画
『レッド・サイレン』(2002年 主演ジャン=マルク・バール 監督オリヴィエ・メガトン)
母親の犯罪を告発した少女と、心に傷を持つ元傭兵とのドラマ。
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中盤での銃撃シーンは白眉。ひと昔前の東宝東和だったら「続・レオン」なんてタイトルだったかも。
主演は「グラン・ブルー」でジャン・レノ演じるエンゾと共演してたジャック役の人。
舞台はフランスとポルトガル、映画自体はフランス、台詞は英語という微妙にグローバルな作品。
ユーロ圏での公開を意識しての作りではないかと。
『ゴッド・ディーバ』(2004年 主演リンダ・アルディ 監督エンキ・ビラル)
「バンド・デシネ」と呼ばれるフランスのグラフィックアートの第一人者、エンキ・ビラルが監督したSF作品。
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彼の描く未来世界に、「ブレードランナー」や「フィフス・エレメント」のヴィジュアルの発露を見て取る事が出来るかも。
共演のトーマス・クレッチマンは1980年のモスクワ五輪に水泳の東ドイツ代表として出場し、18歳の時に西ドイツへ亡命したという経歴を持つ人。
ポランスキーの「戦場のピアニスト」に、主人公を助けるドイツ軍将校役で出ていたのも記憶に新しいところ。
『ブルー・レクイエム』(2005年 主演アルベール・デュポンテル 監督ニコラ・ブークリエフ)
最愛の息子を失った男の復讐劇。張り巡らされた伏線が一つに収束していく様は秀逸。
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作品全体を覆うダークなトーンもサスペンスを盛り上げる。
これを観る為にわざわざ東京まで行ったのもイイ思い出。
『ロング・エンゲージメント』(2005年 主演オドレイ・トトゥ 監督ジャン=ピエール・ジュネ)
『アメリ』の主演・監督コンビによる作品。
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第一次大戦下の戦場で消息不明になった恋人を探し求める姿は健気そのもの。
上記のアルベール・デュポンテルが個性的な役を好演。それとジョディ・フォスターが特別出演。フランス語うまい。
ちなみに不肖シンジ、4年ほど前に「アメリ」のロケ現場を訪ね歩いた事があります。
作中に登場するモンマルトルのカフェ、八百屋もセットでは無くそのままの外観で使用されてました。
『あるいは裏切りという名の犬』(2006年 主演ダニエル・オートゥイユ、ジェラール・ドパルドュー 監督オリヴィエ・マルシャル)
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作中での警察内部の裏切りや腐敗は、元警察官という過去を持つ監督が直接見聞きした実話が下地になっているという。
前半の高揚感溢れるかの様なリアルさは元警官の冴え。後半の泣きの展開も燻銀の演出。
監督は役者としても活躍しており、本作では娼婦のヒモ役で出演。
尚、この作品の原題は「36 Quai Des Orfevres(オルフェーヴル河岸36番地)」つまりパリ警視庁がある場所。
『裏切りの闇で眠れ』(2008年 主演ブノワ・マジメル 監督フレデリック・シェンデルフェール)
言うなればフランス版「仁義なき戦い」という感じの内容なのだが、組織間の抗争では無く殺し屋の生き残りゲームとして描かれている。
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忠誠心や、男同士の理屈では割り切れない絆という感じの、フランスのお家芸「フィルム・ノワール」かと思ったら全くそんな要素は無し。
あくまで犯罪をビジネスとして捉え、効率を追及するリアルなギャング達。
本作の監督がのマイケル・マンを尊敬してるというだけあって、銃撃シーンは迫力。
ベレッタ93R、FNC、SIGSG551といった欧州の銃器が特盛り。銃撃戦を通り越して、もうほとんど戦争。
イギリス映画
『堕天使のパスポート』(2002年 主演オドレイ・トトゥ 監督スティーブン・フリアーズ)
人種の坩堝ロンドンで、従姉の居るニューヨークに行く事を夢見るトルコ移民の女。そしてナイジェリアから密入国した男。
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不法滞在者が置かれた環境、移民の現状が坦々と描かれている。
作品自体はサスペンスのカテゴライズなのだが、移民達の連帯感、愛情といった描写のおかげで、鑑賞後は何処か爽やかな気分になれた。
『子猫をお願い』(2001年 主演ぺ・ドゥナ 監督チョン・ジェウン)
「義理人情」「涙」「熱い台詞回し」「強引と言えなくも無い展開」が持ち味の韓国映画においてはある種異質な作品。
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個人的には生涯TOP5にランクされると断言する。それ位人に薦めたくなる作品。
少女達の、青春の甘酸っぱさと苦さを描いた作品は数多存在するが、その国の慣習や文化の違いに違和感を覚えるものが多く、「共感」に一歩及ばなかったりする。
しかしここに表される生き様は清々しくもあり、切なくもあり、愛しくもある。特に女性はシンパシーを感じずにはいられないだろう。
ちなみに不肖シンジはあまりの惚れ込みぶりに、東京・新大久保の韓国系CDショップまで出向いてこの作品のサントラを購入。
『オールド・ボーイ』(2003年 主演チェ・ミンシク カン・ヘジョン 監督パク・チャヌク)
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2004年のカンヌ映画祭でグランプリ(←第2位)を受賞。
原作は土屋ガロン・嶺岸信明による同名漫画。
ハードな暴力描写、飛び散る赤(←血)、そしてアンジェリーナ・ジョリーにも勝るとも劣らぬ女優陣の盛大な脱ぎっぷりといった、世界屈指の不健全コンテンツとして燦然と輝く韓国映画の持ち味が満載。
ラストでの展開は子供、とりわけ娘を持つ父親ならショック死寸前のインパクト。
その他。
『パラダイス・ナウ』(2005年 仏・独・蘭・パレスチナ 主演カイス・ネシフ アリ・スリマン 監督ハニ・アブ・アサド)
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パレスチナ、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区ナブルスに住む幼馴染みの若者が、自爆攻撃に向かう48時間の物語。
「テロ」と称するニュースからは決して見えてこない複雑な事情や葛藤を描いている。
パレスチナ人である監督と、イスラエル人であるプロデューサーが共同で製作したというのがエポックメイキング。
これまでハリウッドのアカデミー賞はパレスチナを「国家では無い」という理由で選考対象から外してきたが、欧州各国との共同制作という事で、第78回のアカデミー賞外国語部門にノミネートされた。
それにしても以前東京に住んでいた時に実感しましたが、ホントに映画が選り取り見取りで羨ましい!
単館上映の多さもさる事ながら、早稲田松竹で『ニューシネマパラダイス』、吉祥寺バウスシアターで『惑星ソラリス』のリバイバル上映が行われた時にはなけなしのお金を持って駆け付けたものです。
それに比べれば新潟は酷い!ひどい!ヒド過ぎる!!CGだけにおカネ掛けて中身はスッカラカンの焼き直し作品ばかりが幅を効かせ、欧州やアジアの文芸作品は2〜3ヶ月待たないと上映されません(←結局来ない作品もある)。
あとこれは声を大にして言いたいのですが、日本映画における銃器考証やアクションはマニアの鑑賞に耐えないものばかりです。
かつてグアム・バンコク・釜山にて実弾射撃(←この内グアムではショットガンとアサルトライフルも使用)を経験した身としては銃器の選別、演技、発砲音、弾着、「リアル」には程遠いものが多く、及第点には至りません。
興行の形態や映画製作の過程等問題点は山積ですが、これも早急な改善や梃入れが必要だと思います。
以上、新潟支部内「映画評価室」のシンジでした。