一応報告。

皆さんこんばんは。
東京ドーム興行観覧を果たせず、日々の生活の気勢が揚がらない、Perfumeを応援する市民の会新潟支部長のシンジです。観覧券確保したってのに。
観覧した皆さん、そしてPerfumeの御三方、大変お疲れ様でした。
通常ならここで会場の模様を報告するのですが、今回は代わりに、今更感満点ですが8月29日から9月4日までバルト三国の1つ、リトアニアを旅した見聞録を以降6回に渡って書きたいと思います。






第1日目。


前日夜から常宿のある新宿に移動。酒場をハシゴして夜を満喫。翌朝新宿駅に向かい、成田エクスプレスに搭乗。所要時間は約90分。
すると日暮里に差し掛かるあたりで列車が停止。アナウンスでは「人身事故」との事であり、かなり復旧に時間を要するという。ようやく列車が動き出したが、空港のチェックインカウンターには離陸2時間前が基本。所要時間を逆算したら、そのデッドラインを割ってしまう事態に。車中での1分1秒がもどかしく感じる。
目的の成田空港第2ターミナル駅に到着するや否や駆け出す。この時点で、出発時刻まで約70分。大幅な遅れである。今回搭乗するフィンランド航空の受付にでは問題無く手続きを済ませるも、待ち時間を免税品店巡りなどして悠然と過ごす間も無く出国審査場へすぐさま向かう事になる。時間が差し迫っていたのでそのまま小走りで出発ゲートへ。成田に着いてから終始駆け足の状態でようやく機内に。乗り換え地のヘルシンキまでは約10時間の飛行。そこから乗り換えて1時間程でリトアニアの首都ヴィリニュスに向かうというプラン。



離陸して90分程したところで機内食が配布される。チキンor パスタで後者を選択。ドリンクはダイエットコークをチョイス。到着までドラマや映画を観て過ごす。




到着。これが乗ってきたエアバスA340。不肖シンジの一番好きな機種。



ヘルシンキ空港に到着して、普段はそのまま乗り換え便の搭乗ゲートに進むだけなのだが、降りてすぐに再び荷物検査。次のヴィリニュス行き出発時間までビハインド45分。当初は待ち時間が少なくて楽とばかり思っていたが、再度検査があるとは想定外。人がなかなか流れていかない状況に不安を覚え始める。ようやく検査をクリアして、そこでやっと入国審査。「シェンゲン条約」というEU加盟国同士の取り決めにより、EU圏内に入った時点で「入国」とみなされる為である。これは昨年夏にミュンヘンに行った時もそうだった。最終目的地はドイツだが、件の条約によりパスポートに捺印されたスタンプは乗り換え地のオランダのものを捺された。



これが入国審査場。このカットを撮影した時点でヴィリニュス行きの便出発まで10分を切っていた。しかも列は遅々として進まない。シビレを切らして、たまたますぐ傍を通りかかったフィンランド航空の女性職員に「時間が無いから何とかしてぇなホンマ」と直訴。その職員は携帯で何処かに電話を掛けて何事か交渉しているようで、電話が終わると「んじゃあっちのトコ行って」と、上の写真には写ってないが左端の、誰も並んでいないレーンに向かうよう便宜を図ってくれた。スタンプを押してもらい、そこから搭乗口まで一気に走る。
指定の搭乗ゲートは遥か向こう。走れどもなかなか着かない。向かっている最中に2度「早く来てくれ」と自分の名前がアナウンスされているのが聞こえる。道すがらには様々な土産物やグッズの店があるのに、ゆったりウィンドウショッピングも出来ない。あーもう!成田からヘルシンキまで結局走りっぱなしかよ。
デッドラインを二分程超えたあたりでようやく搭乗ゲートに辿り着く。機内に入り、15分後くらいに離陸。乗った機体はブラジル製のエンブラエル190だった。



↑これ。写真が見付からなかったのでミニチュアで代用。
これまでボーイングエアバス、ダグラス、ボンバルディアに乗った事はあったが、この機種は今回初めて。100人前後が搭乗出来る近距離路線の小型機のシェアで、エンブラエルボンバルディア、それとボーイング737がほぼ3等分している状態。そこに三菱重工業製の機が参入を目指しているがそれはまた別の話。
離陸して約1時間の飛行。ようやく落ち着いた瞬間に重大な事に気付いた。「成田で保険加入の手続き忘れた・・・・・!」
どんな事故やトラブルが起きるか分からない海外旅行。外国は日本と違って医療費が信じられない程高額なので、必ず加入せねばならない、ある種の「義務」といっていいものである。これまでは必ず手続きを済ませていたが、成田到着に相当手間取ったので、その慌しさによりすっかり忘れていた。しかもガイドブックには「リトアニア入国の際には保険加入を証明する英文の書類の提示を求められる事がある」そうで、それが無ければ入国を拒否される可能性もある、としている。ガビーン
以前読んだ新聞に書いてあった「実例」なのだが、こういう事があったそうである。



「ロンドンに来た日本人観光客が現地にて事故に遭い、病院のICUへ搬送。結果、病院への搬送費・ICUでの治療費・入院費・一報を聞いて現地に駆け付けた家族の渡航費や宿泊費・帰国する為に空港へ向かう為の搬送費用・その際医師や看護師が付き添った費用・車椅子で帰国便に搭乗する為に座席部分を改造した費用」、合計約2000万円。
しかしこれらは全て日本出発前に加入した旅行保険で全額カバーされたという。


出発から乗り換えまで散々急かされ、ようやくひと安心かと思ったらまた新たな問題・・・これほど気の休まる状態を許さない旅があっただろうか。
結局、到着した首都ビリニュスでは荷物を回収しただけであり、入国審査は事実上既にヘルシンキで済ませたので事無きを得た。しかし保険に加入していない事実だけは変わらないので、事故や怪我、防犯に充分留意せねばと気を引き締める。
社会主義の名残りが残る殺風景な到着ロビーを抜け、持参した米ドルを現地通貨の「リタス」に交換。
外に出た途端呆気に取られた。見渡す光景が一国の国際空港周辺の佇まいとはまるで思えず、特急列車は通過して準急がようやく停まるような地方都市の駅前を彷彿とさせるものだった。


もっとも日本だったら駅前はサラ金の看板だらけなので、暫く見ているとこの殺風景な感じが心地よく思えてきた。


費用を抑える為と、ボッタクリの被害を防ぐ為にタクシーで無くワゴン車を大きくした乗り合いのミニバスに乗り、目的のホテルに面した大通りを目指すが、当然土地勘が有る訳も無く、あっさりと降りるべき地点を過ぎてしまう。慌てて降りた場所が、観光客は間違いなく足を踏み入れないであろう場所。現地の人間にとって東洋人は珍しいのか、通り過ぎる人が皆こちらを凝視している。



道の反対側のバス停に向かい、今来た道を戻る為のバスを待つ。こうした早くその場を離れたい時ほど、目的のバスはなかなかやって来ない。おまけに待っている最中に雨が強く降り出す始末。この期に及んでも事態はスムースに動かず、消沈する気持ちを異国での孤独感が更に後押しする。
やっと現れたバスに乗り、ホテルのある旧市街のメインストリート、ゲディミノ通りで下車。ホテルを探す時も、仰々しい看板が出ている訳ではなく、入り口とは知らずに2回も素通りしてしまう羽目に。外観はホテルというより、すぐ隣がカフェだったので、どこかの商業ビルの出入り口といった雰囲気。すぐ近くなのに分からずウロウロしていたと知った瞬間に強烈な脱力感を覚える。
チェックインしてキーを受け取り、フロントに設置してあった冷蔵庫にデンマークのツボルグがあったのでヤケ酒的に2本購入。1本6リタス(2010年11月現在1リタス約33円)。これは現地の相場からは倍以上の値段。まぁ背に腹は代えられん。



王冠ではなく、オロナミンCの様なプルトップ式だった。



1本を一気に空け、そのままベッドに倒れこむ。テレビはCNNと欧州圏のチャンネル「ユーロニュース」が英語で放送してたので、何とか「浦島太郎」状態にならずに済んだ。しかしドイツの「viva」やアメリカの「vh1」といった音楽番組が映らなかったのは残念至極。youtube同様、こうした海外の音楽プログラムが自分のDJネタ発見に役立つのだが・・・。
http://www.vh1.com/
http://www.viva.tv/

もう1本のビールを飲み干したところで、汗ばんだ服を着替えてから外に出て周辺を探索。午後8時くらいだったので何か食べようと思ったが、着いたばかりなので食事が出来る店を充分に把握しておらず、加えて首都の、それも中心部であっても、これまで行った事のある都市に比べれば非常に雰囲気が地味。結局個人的な嗜好もあり、道すがらにあったトルコ料理のスタンドでケバブをテイクアウト。



薄い生地で牛肉のケバブと千切りキャベツを巻いた物、それとフレンチフライ。なかなかのボリューム。一緒に買った7UPは日本で売られているものと比べてもの凄く甘かった。
一気に平らげると、移動の疲れもあり、安堵感も加わってそのまま就寝。








2回目に続く。