ずっと花のままで。

皆さんこんばんは。
もしも「今後一生コーヒーが飲めなくなる」か「今後一生アルコヲルが飲めなくなる」か、どちらを選ぶかという究極の選択を迫られたら後者を選ぶ、Perfumeを応援する市民の会新潟支部長のシンジです。



5月9日、東京は渋谷区にある代々木競技場第一体育館において、Perfume特別興行『Disco! Disco! Disco!』が開催されました。ファンとしては翌10日の公演も観覧したかったのですが、土日開催という日程にあっては断念せざるを得ませんでした。加えて観覧券の購入申し込みの時点で、個人が両日に跨って申し込む事が不可能なシステムになっており、今や日本で1、2を争う位に観覧券確保が困難なアーティストとなったという噂に違わぬ様相を呈しています。
当初は土日開催という事もあり、新潟からの参加が危ぶまれましたが、せめて初日だけでも!と願い、映画『昭和残侠伝』の高倉健ばりに「止めてくれるなおっかさん!」と参加を決意した次第です。
第2次後援会員予約優先枠にて辛くも確保に成功するも、2階北側Bブロック6列目という割り当ての為、正直前日夜は左程の高揚感はありませんでした。東京駅に2012時到着、そのまま新宿に向かいましたが、東口前のインド料理店に入った時点で何処と無く体調に違和感を覚え、カレーやナン、ケバブを食した時点で胃痙攣を起こしてしまったのです。実は不肖シンジ、疲労が蓄積している状態で油っ気の強いものを食べると胃痙攣を発生させてしまうという持病を抱えており、折角の東京、今夜はナイトライフを楽しもうという計画は見事に瓦解してしまいました。楽しみにしていたチェコのビールも飲めず、懐かしい顔にも会えず、「席は後方、体調は最悪・・・・ツイてないよ」とボヤキつつ、身体の中で胃がギューっと握られる様な感覚に苦しみながら眠れぬ夜を過ごしました(言っときますがそのインド料理屋のせいじゃないですよ)。
翌日、幸い痙攣は治まっており、上野でスパイス類を購入してから会場至近の原宿駅へ。建物の方向に伸びる歩道橋から見た光景は、今や業界屈指の健全優良コンテンツとして燦然と輝くPerfumeの人気を充分に物語るものでした。
今回も先の武道館興行で同行したMさん(仮名)と共に参加。以前に譲渡した『西脇綾香モデル』Tシャツを着ており、図らずもペアルックとなった状況に少しドキドキ(照)。

 


会場を取り囲む人波の中に点在するスカイブルーの色。その多さもさる事ながら、特に印象的なのはそこかしこにヴィデオクリップでの衣装を纏う女子の姿。『ワンルーム・ディスコ』『Dream Fighter』『Love the world』、そしてメディア等の媒体に最近出始めたばかりの『Night Flight』のキャビンアテンダントの衣装と、周囲はさながらコスプレのコンペティション。一瞬「え、ここは幕張メッセ?」と錯覚してしまったのは私1人では無い筈です。あとこれは私の独断と偏見ですが、時折そうしたコスプレ集会などの模様をネットや雑誌の媒体で見るにつけ「イタい」と思わざるを得ない人が混じっていたりする事が多々ありますが、今回会場周辺に居たPerfumeワナビーの女の子達に至っては皆カワイイ人ばかりであり、思わず頭を抱えてしまいそうになる人は皆無であったと断言出来ます。
もう一つの特徴として、とあるアイドルグループのライヴ会場に散見される、メンバーの名前を刺繍した物騒この上無い特攻服を着ていたり、着ているジャケット等に自分の贔屓のメンバーの写真を所狭しと貼り付けているような、エクストリームな迄にワールドイズマインな思考回路を持つ人もいませんでしたが、その代わり当日の気温の高さも手伝ってか、揃いのTシャツでビールや発泡酒を酌み交わすゴキゲン極まり無いファンキーガイ達の姿や、父親や母親と一緒、または一家で開演を今や遅しと待つ子供たちの姿は見ていて実に和むものでした
エスキモー『PINO』とのタイアップという事で、会場敷地内に実際の衣装を着せたショールームダミーが展示されていました。


ピノ・エアラインという架空の航空会社の客室乗務員に扮したTVCMがOAされていますが、あんな航空会社が実際にあったなら、エコノミークラスでさえ成田-ハワイ間の料金は200万円を超える事は確実です。よし、新聞配達とティッシュ配りのバイトしてお金貯めるぞ。



公式グッズ販売のテントに伸びる人波。列は予想より早く進みましたが、今回はパンフレットは無し。

敢えてまた苦言を呈しますが、今回のラインナップはこれまでに無く購買意欲を減衰させるものであったと思います。いくらVネックが西脇さんの嗜好とはいえ、洗濯を繰り返してブラックからチャコールグレーに脱色したかの様な雰囲気はいただけません。デザインも何処となく及び腰な印象。今やリニアモーターギャルズの3人は世代や性別を問わない魅力があるのですから、Perfumeの名やヴィジュアルイメージを前面に押し出した製品、そしてミラーやピルケース以外にも実用的なグッズを商品化して頂きたいと切に願う次第です。何より、公式グッズよりも会場の敷地外で売られているコピー商品の方がはるかに魅力的に映るという厳然たる事実をアミューズの関係者の方々は肝に銘じて頂きたいと存じます。
今回Perfume興行初参加となる私の友人は2階南側Bブロック。丁度自分の反対側でした。
ひ、広い・・広過ぎるってホンマに。舞台上の演者なんて小指の第一関節程度の大きさやんか(泣)。
席に着いてから、もはやPerfume興行観覧には必須アイテムとなった双眼鏡を首から下げ準備完了。周囲を見渡すと相当数が同じ物を持参していました。あと誰だったか、ライフルに装着する狙撃用スコープを使っている人がいました。「あなたのハアトを狙い撃ち」という訳ですか(←古典)。
↓こんな風なやつ。


そして遂にライヴ開始。聞こえて来たのは「♪でーでーでーでー!ででーでーでーでー!♪」という内角高めな感じの(←どんな感じだ)エレクトロサウンド。以下、プレイリストです。

1.ワンルーム・ディスコ
2ポリリズム.
3.シークレットシークレット
4.edge
MC----
5.コンピューターシティ
6.plastic smile
7.マカロニ
MC----
8.Love the world
9.SEVENTH HEAVEN
10.NIGHT FLIGHT
V「What is DISCO ?」
11.YoYoGi DISCO MIX
(BcL→GAME→TSPS→コンピュータードライヴィング→おいしいレシピ→リニアモーターガール→セラミックガール→スイートドーナッツ)
MC----
18.Dream Fighter
19.パーフェクトスター・パーフェクトスタイル
20.ジェニーはご機嫌ななめ
MC----
21.チョコレイト・ディスコ
22.Puppy love
アンコール----
23.Perfume
24.願い


個人的に今回の白眉は『YOYOGI DISCO MIX』でしょう。舞台のスクリーン上に映し出される映像はファンのみならず、テクノ好きクラブミュージック好きなら鼻息が荒くなる事必至。白パフュームと黒パフュームの寸劇もコミカルさに溢れ、もう子供ではなくなってしまった人達の琴線をガリガリン掻き鳴らしてやろうという作り手側のほとばしる想いが伝わってくる様でした。今回これを観る事が出来ただけでもお釣りが来るというものです。
それぞれの曲のテンポや趣が異なるものを混ぜ合わせ、オリジナル以上に粘っこいグルーヴを紡ぎだす手腕はいちDJとして背筋が伸びる思いでした。言わずもがな、ただの「羅列」では駄目なんだなぁ、と。あー困った。

一昨年の11月に恵比寿リキッドルームにて披露されたパフォーマンス『Perfumeの掟』、音源化・映像化を望む声が相当数ありましたが、使用されてる楽曲の版権もあってか実現しませんでした。けれど今回の『YOYOGI MIX』は既存の楽曲を使用しているので、是非この場を借りて、後援会員用DVDに収録して頂きたいと切望致します。え、WOWWOWで放映されるんですか・・・?ガクッ。
この興行において新曲『Night Flight』が披露されるであろう事は想像に難くありませんでしたが、アンコール時で無く前半部に行うという突然ガバチョな展開。リアルタイム組や追体験組といった、80’sに限りないシンパシーを抱くツウな人達には堪えられないそのサウンドに、無機質である筈の電子音で豊かな心象を紡ぎ出す中田サウンドワークスの真髄を垣間見た様な気がしました。
以前から客イジリの巧みさ、周囲への目配せ、ファンサーヴィスの出し惜しみの無さには定評のあるPerfumeの3人ですが、今回双眼鏡を使用している観衆に向かい、同じく個々に持参した双眼鏡で全体を見渡すという余興が。これも3人なりのサーヴィスかと思うと嬉しくなります。互いに向け合うという、まさに『双眼鏡レザボアドッグス』状態。

↓コレ。こんな近くはないけど。


西脇さんの親子連れイジリ、見ていて「あーこりゃ子供を使って注意を引こうってハラだろ」と邪推してしまうのは私だけでは無いでしょう。それはともかく、かつてライヴハウスにて大の男が汗だくになって平日の京浜東北線もかくやといった押し合いへし合いが展開されていた頃を考えると、小さな子が観覧出来る様になった事は自分としても嬉しく思います。立っていた場所から2列先に父親と共に来ていたであろう4歳位の女の子が左右に身体を揺らしながら手拍子をする姿を見た時、「もしもこの子が将来芸能界デヴューを果たした時、『Perfumeさんに憧れてこの世界に入りました!』とか言うのかな」と思わずにはいられませんでした。更に自分の右側には50代前半と思しきご夫婦の姿が。奥様は後半からは席に座っていましたが、ご主人は終始立ったまま。『ジェニーはご機嫌ななめ』の時にはちゃんと「のっちー!」「ゆかちゃーん!」の合いの手を入れてました。
MCで西脇さんの「青春を全て捧げてきました・・・だから見捨てないで下さい!」と直球ど真ん中過ぎる位切実な想いを吐露していましたが、これには会場に居た全ての人が「何か私に出来る事があれば言ってくれ!」と、思わず前のめりになってしまった事でしょう。これだけ注目されるようになっても初心を忘れず、常に謙虚で、「お客様は神様です!」というマインドを体現しているのは三波春夫Perfumeか、と言ったところでしょう。正直、こんなに優しい天使達が生き辛い世の中は、もはや破壊するしかないとさえ思えてきます。
演目は遂に終盤へ。そしてアンコールへと移行しましたが、今回のプレイリストには定番中の定番『エレクトロ・ワールド』は含まれていませんでした。更に鍋料理のシメの雑炊の如き『Wonder2』さえも。
これについてはファンの間でちょっとした論議を呼んでいますが、私としてはマンネリ化を避けたが故の選定だったのではないか、と考えています。これからは『願い』が新たなシメとなるのか、または今回のプレイリストは次回での選定における『実験』だったのか定かではありませんし、これまで連綿と続いた『Wonder2』が差し替えられたという不満も充分理解出来ますが、少なくとも私個人は「まぁたまにはこういうのもイイんじゃない?」といった感想です。例えるなら、「あれ?いつもキムチチゲのシメは雑炊だったけど、今日はうどん?」って感じでしょうか(←何だその例えは)。
つーか、個人的には最後に『エレクトロ・ワールド』、それもアルバムヴァージョンをやって頂きたかったと思います。だって「♪もうすぐ 消える」ですもの。ラストに相応しいと思いませんか?



当初、席順について不満を隠せないでいましたが、相変わらず期待を裏切らないパフォーマンスを見、改めて実感した事があります。
Perfumeの興行はただ演目を観て、そして帰るだけじゃない。多くの仲間達との触れ合い、語らいがある。
住む場所も境遇も年齢も違う、接点の無かった者同士が『Perfume』という合言葉の下で一つになり、曲に合わせて踊り、歌い、酒を酌み交わす。
残念ながら今回は各種の集いに参加出来ずに帰還せざるを得ませんでしたが、天使の笑顔と、暖かく迎えてくれる仲間がいるからこそ、私は東京に足を運ぶのです。
Perfumeと、それがもたらした出会いに感謝。




















追記。
↓終演後、看板の前にてマグマ大使のポーズを取る新潟支部長。




追記その2。
会場に居た多くのPerfumeワナビーの女子の中でグランプリを1人挙げるとするならば、終演後に会った『GAME』のジャケットフォトにおける樫野さんのコピーをしてた人です(←ライトサーベル持ってた)。
あー、名前聞いとくべきだった・・・・・・・。