ハードデイズナイト。


僕はキングになれる


君はクィーンになれる


僕らはヒーローになれる


たった一日だけの





デヴィッド・ボウイHeroes” より




皆さんこんばんは。肺活量4960ccの、perfumeを応援する市民の会新潟支部長のシンジです。



先月28日夜、東京は六本木にて開催され、熱狂と興奮のうちに幕を閉じた”Perfumenight”
大勢の方が来場し、関係者の予想を上回る規模となりました。
当日の午後4時、勤務を1時間早く切り上げてすぐさま新幹線に乗る為最寄りの駅に到着するも、そこで財布を忘れてきた事に気付くという豪快かつチープなうっかりミスをカマしてしまい、来た道を20分かけて戻る事となってしまいました。結果、東京到着が1時間以上遅れる始末。出鼻を挫かれた格好になり「こんな調子で今夜大丈夫なんだろうか」と新幹線の車内で一人意気消沈。到着後中央線で四谷まで行き、そこから地下鉄南北線で「六本木一丁目駅」に。徒歩6分程で DJ陣や会場スタッフとの会合・調整が行われているレストランに到着しました。やおら冷えたビールをあおり、今回VJを務めるホンマさんと顔合わせ。彼は「やぶれ春巻」名義でperfumeのラジオにネタを投稿しており、そのキャッチーかつエキセントリックな名前が脳裏に焼きついていました。まさかこうした形で邂逅するとは、と感慨もひとしお。若干21歳という若さもまた有望な将来を感じさせるに余り有ります。
このDJパーティーにてトップバッターを引き受ける事になったのですが、最初は2番目ないし3番目がいいと思っていました。しかし宗像さんの「最初はプレッシャーが少なくてラクですよ」という言葉に「ではまぁ最初なんでフロアを暖める事に徹します」と宣言。しかし心のなかでは「まだ人が少ない状態でプレイしてもなぁ・・・。誰も聴いてくれないノってくれないなんて」という一抹の不安が色濃く残ったままでした。しかし、この不安が杞憂に終わる事を後に知る事となります。
すぐ近くのクラブ「CUBE」に移動。スタッフ全員の機材準備、設営が慌しく始まりました。今回初参加ということで会場に準備されたCDJ(パイオニアCDJ- 1000。お値段14万5千円。きゃー。 http://thumbnail.image.rakuten.co.jp/s/?@0_mall/dj/cabinet/pioneer/cdj1000mk3_slanting.jpg)では使い勝手が分からないので、新潟から自前の「デノンDN-S1000」を持参。重量3キロ、それを米軍が暗視ゴーグルを運ぶのに使用していたハードケースに入れて。ケース自体も含めて約9キロ・・・いやー重かった。
コレ↓

こういうケースです↓。

これを入れる為の物なんですって。


東京に着いた際、駅や主要道路ではサミット警備の為多数の警官が配備されており、そんな中を厳ついケースを持って歩くものだから視線が痛いイタイ。
会場に備え付けのミキサーはベスタクスの4チャンネル。触れた事の無い機種をうまく使えるか不安が高まります。曲順を確認し、ビールをグイっとあおり気合いを入れ、そして今回「テクノをプレイするなら、先ず見た目からもテクノにならなければ」という信念の下、外科医が使用するスクラブシャツに首から聴診器(←実物)、そして血液の眼球への飛沫による感染症予防の為のクリアゴーグル(←ちょっと『電脳コイル』も意識してます)というずっと暖め続けていたスタイルを敢行。いや〜、ホントこれやってみたかったんですよ。「無菌室」「管理」「合理主義」「禁欲的」というメタファーが自分のテクノ観なので。

当日、グリーンを着ました↓。


時刻は2230、遂に開始。まずは企画・責任者のid:matekoiさんがお客さんにご挨拶。この時点で予想以上にフロアの密度が高かったです。私もマイクを手にし「只今より、脳神経細胞活性処置を行います」と宣言。緊張で早くも口の中がカラッカラになっていました。持ち時間は一人50分、えーいままよ!と恐る恐るスタート。以下、プレイリストです。

1・ポリリズム Featuring鳥肌実
2・BcL Hardfloor remix
3・ポータブル空港
4・Rounge Designers killer
5・チョコレイトディスコ Short edit mix
6・疲労 Featuring西脇綾香
7・My Egyptian LoverSpace cowboy
8・Megalopolis
9・Swing54321
10・Sun lights stars -yasutaka nakata 8PM mix- (Ramrider)
11・リニアモーターガール Edit




実は東京に着いて、駅の階段を上がり下がりするだけでも緊張により眩暈がしていた位なので、プレイが始まったその瞬間アタマがホワイトアウト。テクノDJ1年生、白帯、人前に出るのがこれで2回目とあっては無理も有りません(←言い訳)。そのアタマを再起動する為にヘンテコリンな振り付けをやってた訳です。しかしそれでも緊張は簡単に解れてくれる筈も無く、振りに気を取られるあまり次の曲が始まるまで10秒というところで慌てて曲の頭出しをしたりともうガタガタ。あまつさえ繋ぎのタイミングが上手くいかず数秒の沈黙を招いてしまうという体たらく。ミキサーのフェーダーが気付かない内にズレていて音が出なかったり。やっぱりトップバッターで正解でした。最初だからみんなは大目に見てくれた訳で、ノリも高まった中盤であんな不手際をやらかしていたらDJブースにペットボトルが投げ込まれていたであろう事は想像に難くありません。それでも曲に対して時折ダイレクトに反応が返ってくるというのは気持ちが良いものです。
終盤に差し掛かった時不意にフロア前方に目をやると、そこには何とサエキけんぞう氏の姿が!かなりノッてる姿が印象的でした。
やがて最後の曲。2番手のDHSさんに交代しDJブースを一旦離れて水分補給(←ビール)。ドリンクカウンター前にて友人達と暫しの談笑。茨城から来たという人に「ぃやー良かったですヨ!最高っすよ!」と言ってもらい、大変照れてしまいました。加えてその直後「サエキさん、『良かった』って言ってたよ」との報告を受け、やや不本意ながらもやり切った充足感に浸りながら飲むビールの旨さに酔いしれていました。
言わずもがな、DJの選曲にはその人の個性が現われるといいます。私以降のDJ陣もまた然り、様々な選曲やテクニックをもって会場のムードを常に上昇させていました。天井のエアコンが停止しているのではないかと意思わせる程に。
3番手のDJ☆Hさん、パワフルな選曲、トリッキーなプレイ、そしてオーディエンスのツボを的確に捉えたマイクパフォーマンスに、私はノリノリという以前に畏怖の念にも似た想いを抱きました。なんでもこのperfumeナイト終了の翌日には名古屋でのperfume関連クラブイヴェントに参戦するとの事。凄過ぎます。
次の「はるか?」さん。この人は強烈でした。ブルーのLEDライトのデバイスを自身のメガネと右腕に装着した姿はサイバー感満点。セオリーなんて関係無いと言わんばかりの想像だにしない選曲、BPMも一定にせず自在に操作。その姿に荒ぶる馬に跨り太刀を振る若武者のイメージが浮かびました。
yasyasさんとバリサンドさんは2人でDJプレイ。息の合った所を見せます。seratoのscrachを使ってる人は初めて見ました。これはアナログターンテーブルの操作感をそのままに、PCでDJプレイをする為の機器です。「おいしいレシピ」「カウンターアトラクション」「perfume」などBPMの速い曲を中心にプレイ。BPMが変わると印象が随分変わりますね。会場内が手拍子とコールで更にヒートアップ。この辺りからフロアの中心がドーナツの様にポッカリと空き、その中心付近のオーディエンスが向き合うようにダンスを繰り広げていました。んもぅそのエリア全員が汗だく。否、それを通り越してミネラルウォーターを頭から被ったのかと思う程に衣服も完全にビショ濡れ。やっぱりperfumeには僕らが必要とする濃厚かつエクストリームなサムシングがあるのだと実感させられる光景ではありませんか。
続くヘルムスリーさんもまた確かなテクニックでプレイ。気をてらわず、オーソドックスながらも1本ピーンと通った様な選曲。こうした現場では自分自身が体験して雰囲気に慣れる事も大切ですが、やはり他の人の選曲やプレイを間近で研究するというのは非常に得るものが大きいと思います。
そしてトリを飾るのが、当新潟支部のテクニカルアドバイザーも兼任されてる宗像さん。プレイ1曲目は『GAME』でした。ここでブルーのライトサーベルが登場。いくサンのコスプレ効果も相まって図らずも先のperfume新譜発売記念興行が再現された瞬間でした。敢えてブースの中に行き、猪木にビンタしてもらうが如く斬ってもらって気分スッキリ。『おいしいレシピ』『ジェニーはご機嫌ななめ』『モノクロームエフェクト』といったperfumeのスタンダードナンバーに続き、Cutie paiの『イエスノウ』が。宗像さんらしい、矜持に溢れた選曲でした。実際この時点で同じ楽曲が複数流れる状況でしたが、不満など一切聞こえてきません。それどころかフロアがより一層加熱。明け方4時を回っているにも関わらず熱気と興奮は一向に衰える気配が有りません。汗に濡れた髪を振り乱してプレイし、マイク片手にシャウトする宗像さんの姿に、以前NHKテレビで観た、60年代の学生運動で熱弁を振るう全共闘アジテーターの映像が重なって見えました。
そうして午前5時、会場のテンションがフルスロットルのまま最後の楽曲が終了。『Wonder2』が流され感動のフィナーレを迎えました。そうしてDJ・VJ班は慌しく撤収作業開始。普通だと眠くて仕方無い時間ですが、信じられない位に目が覚めていました。冗談ではなくそのまま2キロをランニング出来そうな位に。




企画・進行のmatekoiさんや他のDJの方々、VJ担当班の皆さん、運営補助員の皆さん、メイドのお2人、何より会場に来て頂いたお客さん、全ての方達に心から感謝しています。本当に楽しかったです。









追記。
実はこの日、会場に来た友人に『GAME』のポスターを頂戴したのですが、それを上野駅のコインロッカーに忘れてきてしまうという悔やんでも悔やみ切れないミスを犯してしまいました。忘れた事に気付いたのが発車3分前(!)。新幹線到着ホームは地下3階、到底間に合いません。新潟までの車中、自分への腹立たしさや贈呈してくれた友人への申し訳無さで、座席やトイレの壁を殴りつけたい衝動を抑えるのに必死でした。
後日上野駅に問い合わせたところ、そうした物品は遺失物として届いてないとの回答。この日は一日勤めに身が入りませんでした。
perfumeのグッズ販売、エコバッグやクリアファイルもいいけどポスターも販売してくれませんかね・・・。