素晴らしき哉、人生。
更新が遅々として進まず、大変申し訳ありません。
8月27日 ミュンヘン 第4日目
昨夜はホテルに戻ってからもビールを飲み、ただひたすらテレビを観ていた。
かつて観た事のあるハリウッド映画がドイツ語吹き替えになっているので「なるほど、ドイツ語ではこう発音するのか」という、ある種新鮮な感覚を覚える。
しかしMTVやvh1の様な音楽番組に遭遇しなかったのは残念。
http://www.vh1.com/
今何が流行ってるのか、こちらの音楽シーンを調査したかったのだが。
チェコやポーランドに行った時は、かの地でドイツの音楽番組がOAされてたのに。
結局寝入ったのは空が白み始める頃。
遅く起きたのでホテルの朝食は既に終了。
今日の目的地はダッハウ。
ナチス政権下の1933年、ここにドイツで最初の強制収容所が造られた。
以後、ヨーロッパ各地に作られたユダヤ人収容所はここをモデルにしたのだという。
ミュンヘン中央駅からSバーンで約25分
ホテルから歩いて10分位のパーシングPasingという駅から中央駅まで行くのに乗った電車。
これが有名なドイツ版新幹線ことインターシティエクスプレス(I・C・E)。この車輌はベルリン行き。
UバーンやSバーンもそうだけど、ドイツの列車は見慣れないせいもあってかフォルムが美しく見える。
オタクの中でも、取り分け「鉄分」の濃い人には堪えられない光景だろう。
つーかこの車輌、長崎中央線の「かもめ」に似てる。
まさか日本製?
個人的には、全国各JR線の特急車輌の中ではこのデザインが好きです。
最悪なのは新宿発の「あずさ」。だっせー。
お前は「カオナシ」か。
閑話休題。
鉄道談義はさておき、ダッハウ駅からバスに乗る事10分弱。
道路から200m程歩き、いよいよ敷地内へ。
インフォメーションセンター近くにあった説明文。
左側の写真に右手を挙げるヒトラーの姿が写っているのだが、顔の部分は何か硬い物で疵が付けられていた。
当時はユダヤ人輸送用の為、ここに線路が引かれていた。
写真右側に見えるのがプラットホーム。
上の写真の奥、入り口のゲート。
「働けば自由になれる」の一文。ウソつけ。
ガス室。
行方不明者の為の墓。
死んでいった名も無き人々。
誰かの父親であったろう、誰かの母親であったろう、誰かの息子であったろう、誰かの妹であったろう、誰かの夫であったろう、誰かの妻であったろう、誰かの親友であったろう、誰かの大切なひとであったろう。
思いを馳せている内に涙が止まらなくなってしまった。
ユダヤ人の慰霊の為の祠。ヘブライ語が書いてあったのですぐ判った。
収容所敷地内真ん中のポプラ並木。
写真奥にバラックが見える。
かつて両側に34棟建てられていたが、60年代後半に老朽化の為取り壊し。
現在は2棟のみ復元されている。
そのポプラ並木の、収容所開設時の写真。
大人の身の丈の2〜3倍程度だったのが、70年を経た今は20m以上に。
歳月の重さを感じずにはいられない。
収容者のベッド。
そもそも一つのバラックで200人収容を想定していたが、もっとも多い時で2000人が詰め込まれていたという。
青い空、白い雲、燦々と照らす太陽。
かつて恐怖と絶望が支配していた場所との、強烈な対比。
展示棟前でのツアー客とガイド。
服装やアクセントからアメリカ人と推測。
ロシア構成主義、いわゆる「ロシア・アヴァンギャルド」を彷彿とさせるポスターデザイン。
次回のPerfumeのジャケットワークも、こうした手法を取り入れてはくれまいか。
収容所内でユダヤ人が作ったデスク。
左下の写真、建物から連れ出され、両手を挙げて怯えた表情の少年のカットは余りにも有名。
以前に読んだ、ヴィクトール・E・フランクルの小説「夜と霧」の表紙にもなっている。
一読を薦める。内容は「壮絶」の一言。
- 作者: V.E.フランクル,霜山徳爾
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監視塔。有刺鉄線に接近する者は誰であろうと機銃掃射を行った。
フランス語・英語・ドイツ語・ロシア語で書かれたモニュメント。
かつて縫製工場だった建物。現在は警察の車輌倉庫になっていた。
暫く見ているとパトカーがやって来て、若い警官に睨まれた。
アルコール類は無いが、ホフブロイのアルコヲルフリータイプがあった。
非常に珍しいので飲んでみる。旨い。
全くもって日本のノンアルコヲルビールは不味い。
キリンのやつなんて思わず「炭酸入りのレモンティーか!」と思わずにはいられない。
サッポロはグラスに注ぐと全く泡が立たない。しかも不味い。
こんなお粗末な紛い物飲めるか。
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飲んだ後に再びバスに乗り、収容所跡を離れる。
ダッハウの駅。正面に見える階段に不良達がたむろしていた。タバコ吸ったりビール飲んだり。
てかドイツでは法律で酒は16歳、タバコは18歳から認められている。
まぁ昼間からこんな場所で飲む奴はマトモじゃない。絡まれるといけないので、威圧の為に眼を飛ばしておく。
「やるならやんぞ」って感じで。
駅のプラットホーム。
この日は暑かったが、列車の窓にはカーテンが無かった。
ドイツ人は日光浴が好きな国民だと言われるというのを聞いた事があるが、それと関係あるのだろうか。
ホテルに戻ってから、再び中心部のノイハウザー通りへ。
これはハンドクリームか何かの実演販売。
前日のビアガーデンに再び行き、惣菜屋さんで買ったニンニクのピクルスをツマミに飲む。
野菜サンドを買ったトルコ料理店に行く。
バターライスの上にケバブの肉がのっかったもの、サラダのフレンチドレッシングがけ、あとピタが付いたセットを注文。
勿論ビールは欠かせない。
という、この日も飲んでばかりの一日となった。
名も無きユダヤ人達に乾杯。